ワキガ・多汗症治療

症状

ワキガとは、ワキの下を中心として不快なニオイが出てしまう症状のことです。
その独特なニオイは「硫黄・酢・スパイスのよう」など、ツーンとしたようなニオイに例えられることが多いです。
自分の使ったタオルなどからそのようなニオイを感じた場合、ワキガの可能性が極めて高くなります。
人間には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」のふたつの汗腺が存在し、アポクリン汗腺が原因となり男女関係なく発症します。

原因

基本的に、人間が出す汗は無臭といわれています。
しかしアポクリン汗腺からは、糖質・脂質・たんぱく質などの三大栄養素や、アンモニアや鉄分が含まれる汗が出ます。
この汗が人間のお肌に住み着いている雑菌の栄養となり、繁殖と発酵を促してしまうために独特なニオイを出してしまうのです。
さらに、汗が蒸発するときにそのニオイを一緒に乗せてしまうため周囲に拡散させてしまいます。
主に思春期などのホルモンバランスの変化などでアポクリン汗腺を刺激し、アポクリン腺から出る汗を増やしてしまっていることも原因のひとつとされています。

どうして臭いが出るの？

ワキガも多汗症も、どちらもワキの下にかく汗の量が増えた状態のことをいいますが、ワキガの汗は独特な臭いを発生するのに対して、多汗症の場合はあまり臭いのない汗を大量にかくという点が異なります。
ワキの下には「アポクリン汗腺」、「エクリン汗腺」、「皮脂腺」の3つの分泌線が存在します。
《ワキガ》の原因となるのは「アポクリン汗腺」です。
アポクリン汗腺は粘り気があり、脂肪、鉄分、蛍光物質、アンモニアなどからできています。
この汗自体は臭うものではありませんが、汗の成分が細菌によって分解されたときに独特の臭いを発します。
一方、《多汗症》とは、「アポクリン汗腺」からの分泌も含めて、汗の分泌量が多い場合をいいます。
運動をしたり、食事をしたりなど、汗の出るようなことをしていないのにもかかわらず、多量に汗をかいてしまう症状です。
緊張しやすい人や太っている人などに多くみられます。

ワキガ症状は皮膚科、形成外科、美容外科で治療できます。 汗腺にアプローチする根本的な治療ができるのは医療機関のみです。

• 1. 内服薬・湿布

  医療機関に相談した場合、まずは内服薬や湿布での対応になります。
  発汗に必要な伝達物質の分泌を抑える内服薬と、塩化アルミニウムを含んだ湿布を外から貼ることでワキガ症状の原因となる汗の分泌量を減らせます。
  しかし、副作用があることが多いため、医師の指示通りに服用してください。
  根本的な治療にはなりませんが、ワキガの症状が効果的に抑制されます。

• 2. ボツリヌストキシン注射

  シワ予防などに使用されるボツリヌストキシン注射（ボトックス注射）はワキガの対策にも使われます。
  ワキガは、アポクリン汗腺から分泌された、栄養素を含んだ汗を雑菌が発酵させてしまい起こる症状です。
  ボツリヌストキシン注射は、アポクリン汗腺の働きを抑制し、汗の分泌量を減らしてワキガの症状を一時的に改善させます。

• 3. レーザー

  • ワキの下の毛根に針を刺し、針から流れる高周波によって汗腺を破壊する「電気凝固法（ビューホット）」
  • 切開なく超音波と熱でアポクリン汗腺を破壊する「マイクロ波法（ミラドライ）」

  レーザーを使用し、切開なく汗腺を破壊します。
  自費診療となりますが、痕が残りにくく、ダウンタイムも短いのが特徴です。

• 4. 手術

  • ワキの下を約3～5㎝切開し、アポクリン汗腺を目視下で直接取り除く「皮弁法/剪除法/直視下摘除法」
  • ワキの下に細い管を通し、アポクリン汗腺やエクリン腺を吸引する「皮下組織吸引法（マイクロシェーバー法/ハイブリッドマイクロシェーバー法）」
  • ワキの下に穴を開け、超音波と熱でアポクリン汗腺を破壊し吸引する「超音波吸引治療法」
  • ワキの下を切開し、皮下組織ごとアポクリン汗腺を取り除く「皮下組織削除法」

  切開し、直接汗腺を取り除く施術です。
  確実なワキガ症状の改善が期待できる施術が多いのが特徴です。
  しかし、負担が大きい割にアポクリン汗腺が残ってしまって再発してしまうものや、火傷や皮膚が壊死してしまうなどのデメリットがある施術もあります。